この夏を乗り切るための「ビールは水分にならない」のメカニズム

The following two tabs change content below.

ぬのむー

JAPAN MENSA会員。アニメとかガンダムとかアイドルの人。近作:「ガンダムは何から観るべきか」問題の結論



とてもとても暑い日が続いています。
7月の暑さをなんとか乗り越え、8月はまだ涼しいと感じる(それでも30度超えてたりするのですが…)日がありますが、ウェザーニューズによると今年の暑さのピークは7月と8月下旬にあり、まだまだ熱中症の対策、予防は欠かせない夏が続きそうです。

これだけ暑いと、少しでも涼を取るためにキンキンに冷えたビールが飲みたくなります。
ただ気をつけたいのが、ビールを飲んでも水分補給にならないこと。確かに美味しいのですが熱中症予防にはなりません。必ず一緒に水を飲んで水分をとる必要があります。

今回はなぜビールを飲むだけでは水分補給にならないのかを解説します。稀に「アルコールの分解は加水分解で水が必要だから」と言うコメントがありますがこれは正確ではありません。正しい知識は応用が効きますので身につけておきましょう。

体内アルコール分解の仕組み

まずは体内でどのようにアルコールが分解されるか、です。

飲んだアルコールは胃と小腸で吸収され、血流に乗って肝臓まで運ばれて分解されます。分解しきれなかったアルコールが脳に回るのが”酔い”です。
肝臓に運ばれたアルコールは、酵素の働きで毒性のあるアセトアルデヒドに分解された後、これまた酵素により無害な酢酸に分解されます。酢酸は血液によって全身へ運ばれるうち、更に水と二酸化炭素に分解されて尿・汗・呼気となって排出されます。

この反応は水(H2O)は使っておらず、加水分解ではありません(酵素による脱水素反応)。これは実験室で同じアルコールの分解を行う場合、酵素を使わない加水分解反応をとるため、誤解が生じていると思われます。




実験室でのアルコール分解反応

お酒に水分補給が必要な理由

ではなぜお酒は水分補給にならず、別途水分を取らなければならないのでしょうか。大きく2つの理由があります。

①利尿作用がある

お酒には利尿作用があり、飲酒すると尿によって体内の水分が排出されてしまいます。お酒自体に水分が含まれていても水分補給にならないのは、飲んだ水分量より尿から排出される水分量が多くなってしまうためです。そのため意識してお酒とは別に水分を取らなければなりません。同じ理由で、実は利尿作用のあるコーヒーも水分補給には適さないので注意が必要です。

②酵素に栄養が回らなくなる

体内の水分が減ってくると血流は悪くなります。アルコールを分解するための酵素が働くにはもちろん栄養が必要ですが、その栄養を運ぶのは血液。それがドロドロになりうまく栄養が届かなくなるとアルコール、アセトアルデヒドが分解できません。つまり汗をかき水分が減っている状態でお酒を飲むとアルコールをうまく処理できず、頭痛・吐き気が起きる原因となります。

熱中症予防のために

お店での飲み会以外にも、夏はフェスや旅行などビール以外の水分を取らずに過ごす機会が多くなってしまいがち。また暑いからといって一気飲みをしても小腸で水分を吸収しきれなくなってしまうので、ゆっくり少しずつ飲むことが大事です。特に今年の夏は意識して、飲む前・飲んだ後にこまめに水をチェイサーとして飲み水分を取りましょう。

 

参考:『お酒と健康ABC辞典』キリンビール株式会社

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA